著者のコラム一覧
本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。“東京の異界シリーズ”第5弾「高田馬場アンダーグラウンド」(駒草出版)発売中。「全裸監督 村西とおる伝」(新潮文庫)が、山田孝之主演でNetflixから世界190カ国同時配信決定。

NHKスペシャル「ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」はガス抜きか

公開日: 更新日:

「ちょっと僕は納得いっていないですね」

 おそらく中谷良のことも初代ジャニーズのこともよく知らない若い世代が窓口になっているのだろう。これでは補償問題もなかなか進展しないはずだ。

 私の知る元Jrは、小学生のころ、ジャニー喜多川元社長から性加害を受け、トラウマとなって、その後、女性と交際して手をつなごうとするたびにフラッシュバックで元社長が顔を出す。その結果うつになり、長いあいだ心療内科に通っていた。

 番組は、タブー視されてきたジャニーズ事務所とNHKの深い関係に触れ、ジャニーズ所属タレントを何度も起用してきたドラマ担当の最高責任者を直撃している。

 だが攻めた内容という割には、表面的である。路上で直撃した元理事は、すでにNHKの人間ではなく、今まで深い関係にあった現役の人間は登場もしないし、発言もしていない。

 急転直下、中谷氏の墓参りをする姉と東山紀之スマイルアップ社長。

 番組ラストで、2024年10月16日から旧ジャニーズ事務所所属タレントの出演を解禁することを告知した。今回のNHKスペシャルは批判に対応した一種のガス抜きとも考えられるのだ。

【連載】本橋信宏 萌える火曜日

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末