岸田首相「棚ボタ訪朝」は実現するのか? 国賓訪米前に金与正が秋波
内閣支持率も求心力もダダ下がりの岸田首相に、思わぬところから“朗報”が届いた。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹の金与正副部長が「首相が平壌を訪問する日が来るかも」とする談話を発表。秋波を送ってきたのだ。岸田は施政方針でも「日朝平壌宣言に基づき、北朝鮮との諸問題を解決するためにも金正恩委員長との首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベルでの協議を進める」と力んだが、手だてはない。3月中旬に浮上中の「訪韓」が「訪朝」にチェンジ、なんて展開が起こり得るのか。
事実上のナンバー2の金与正は「個人的見解」と断り入りで15日に出した談話で、一連の岸田発言に触れて「過去の束縛から大胆に抜け出し、朝日関係を前進させようという真意から出たものであれば肯定的に評価されない理由はない」と評価。解決済みとする拉致問題と核・ミサイル開発を横に置けば「両国が近づけないはずがなく、首相が平壌を訪問する日が来るかもしれない」とした。
妙な流れだ。能登半島地震発生後、金正恩が岸田宛てに「閣下」と敬称をつけた見舞い電報をよこしたと日本側は大騒ぎ。自民党の甘利前幹事長は11日に出演した報道番組で「この種の発信は極めて異例。うまく捉えてトップ同士の会談にとにかく持っていくのがいい」と実現をにおわせた。もっとも、政権浮揚カードが切れると「電撃訪朝」が出回るのは永田町のお定まり。そうでなくても、「歴代政権が頼りにしていた密使が昨年亡くなり、官邸には北朝鮮とのパイプがない」(官邸事情通)というから現実になれば棚ボタだ。