引退危機も…右大胸筋断裂で休場 琴奨菊が“号泣”
力士生命の危機だ。
九州場所2日目、まさかのアクシデントが大関琴奨菊(29)を襲った。この日の相手は松鳳山。土俵際に追い詰め、最後のひと押しという場面で松鳳山が起死回生のすくい投げを打った。琴奨菊は右脇を大きく開かされたまま、共に土俵下に転落。軍配は琴奨菊に上がったものの、本人は土俵下で右胸を押さえながら苦悶の表情。何とか土俵に戻り、勝ち名乗りを受けながら紫色に腫れ上がった右胸に手を当てる姿も痛々しかった。
琴奨菊は花道を引き揚げると、風呂場に直行。周囲が固唾をのんで見守る中、涙を流しながら風呂場から出てきた琴奨菊の右腕は三角巾で吊られていた。報道陣は恐る恐る質問をしたが、タオルで顔を覆い号泣。その後は福岡市内の病院に直行、診察を受けた。
12日、「右大胸筋断裂で全治3カ月の見込み」との診断書を出し琴奨菊は休場した。
仮にそうだとすれば、今場所休場どころではない。ある協会関係者は「下手すれば引退もある」とこう続ける。
「琴奨菊は右脇を伸ばしたまま、右肩から土俵下に落ち、大胸筋を断裂した。本人もそれがわかったから号泣したんだろう。3日目から休場するのは避けられないとして、問題は今後。大胸筋断裂は全治半年以上のケースもある。腕が動かせないとなればリハビリにも時間がかかる。大関陥落どころか、そのまま引退してもおかしくない」
故郷福岡で、琴奨菊が相撲人生の岐路に立たされた。