阪神・鳥谷のメジャー挑戦 「10年に1度のチャンス」到来
「メジャーに挑戦するなら、今オフは10年に1度の大チャンスです」
メジャーに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言う。毎年のように「チャンスがあれば」とメジャー挑戦への憧れを語っている阪神の鳥谷(33)に向けての友成氏のアドバイス。その理由はこうだ。
「メジャーは鳥谷を遊撃手ではなく二塁手として見ている。今オフのメジャーのFA市場は遊撃手にハーディー(オリオールズ)、ラウリー(アスレチックス)など多くの有力選手がいる一方で、二塁は人材がほぼ皆無という状態。目玉のひとりだったゾブリスト(レイズ)は、今季の成績(打率・278、9本塁打、41打点)を見ても、レイズがオプションを行使すると思う。あとはウィークス(ブルワーズ)くらいで、高齢選手が多く、実力者がいない。これは近年にないことです」
では、二塁手としての鳥谷獲得に名乗りを上げる球団はあるのか。条件はどの程度になるのか。
「ヤンキースはカノーがマリナーズに移籍して二塁を固定できないでいる。オリオールズも同じく二塁手がいない。ブルージェイズは川崎との天秤になるでしょう。もっとも、同じ日本人内野手として西岡が11年オフにツインズと3年9億円、中島が12年オフにアスレチックスと2年5億円で契約したような条件を出す球団があるかどうか。鳥谷は33歳という年齢的なハンディがあるし西岡、中島の2人の不振によって日本人内野手の評価は落ちこんでいる。しかも、メジャーは今、有能な内野手を輩出しているキューバやオランダ領キュラソー島に触手を伸ばしています。厳しいことは厳しいですが、今年のFA市場を勘案すれば最高で2年4億円、最低でも単年1億5000万円程度の提示をする球団はあるはずです」
鳥谷はこの日の巨人戦で4安打を放ち、打率はリーグ4位の・329。首位打者も狙える位置にいる。某阪神OBによると、「現在の年俸(3億円)の半額程度なら思い切って挑戦するかもしれない」という。自己最高の成績を引っさげて、海を渡るには今オフは絶好のタイミングになりそうだ。