勝利への貪欲さなき阪神 大乱闘でも士気上がらずベイに完敗
24日のDeNA戦、5-8で迎えた九回表だった。DeNAの抑え・山崎康の初球が阪神・上本の頭部を直撃。和田監督と中畑監督が掴みかからんばかりの大乱闘となった。
守護神の危険球退場で緊急登板した田中が連続四球、続く国吉の押し出し四球で1点を返し、なお1死満塁の好機を生かせず逆転負け。カード負け越しで5位転落だ。
和田監督は乱闘について「こっちはいくつもぶつけられている」とし、「ちょっとずつチームが動き出している。決して悪い状態で交流戦に入っていくわけじゃない」と強がったのに対し、中畑監督は「後味が悪い勝ち方。済まないことをした」と神妙な表情。もっとも、阪神は初回に3点を先制しながら勝ちきれなかった。2勝6敗という対戦成績もさることながら、DeNAの選手やベンチがいかに勝利に貪欲か。その差が大きいのだろう。
DeNAは初回に3点を取られた直後の攻撃で筒香が走塁の際に右太ももを痛めて離脱。ここまで「三冠王」の活躍を見せる大黒柱が不在となる緊急事態も、三回には筒香の代役・下園が適時二塁打で流れを呼び込み、一挙4得点で試合をひっくり返した。カード初戦(22日)に5点ビハインドを逆転してサヨナラ勝ちしたのは、これまた控えの井手の活躍があった。レギュラーも控えも、おのおのが持ち場で力を発揮しているから首位を維持できる。
阪神は上本が頭にぶつけられても九回に1点を返すのがやっと。今季初先発した2年目の岩貞が2回3分の1を4失点とチャンスを生かせず。四回の攻撃では投手の桑原がそのまま打席に向かい、阪神ファンからブーイングが起こった。勝つために必死の手を打たない。そりゃ低迷するわけだ。