原野球の継承拒絶 由伸巨人のキーマンに「現主力」指名の思惑
さらに別のベテラン選手が続ける。
「原前監督は『管理』という言葉をよく使った。自己管理という意味もあるけど、打てないといわれたここ2年は、ベンチ主導の野球をやろうとした。だから『ああしろ、こうしろ』というサインが増えて、管理された野球だった。でも、由伸新監督はがんじがらめが大嫌い。以前、『当たり前のことを当たり前にできれば勝てるんだ』と話していたことがある。要するに、走者が出れば送るべき人が送り、中軸には中軸の仕事をさせる。投手も同様で、軸になるべきエースが先発ローテの中心を担って投手陣を引っ張る。そんなオーソドックスな野球をするためにも、主力にはひと皮むけてもらう必要があるのですよ」
■打撃も守備にも確固たる理論の持ち主
就任会見で「阿部、長野、坂本、菅野、内海」の5人をキーマンに挙げた。あえて主力の名前を出したことでも、確かにプライドを重んじる監督にはなりそうだ。
自他共に認める「慎重派」。だからこそ、奇襲や奇策といったリスクは背負わない。周囲の視線、批判、反響を常に気にしているのは、自身のプライドも関係しているようだ。