歴代3位通算320勝・小山正明さんを悼む…とにかく、カッコいい人だった(山崎裕之/元ロッテ、名球会)
とにかく、カッコいい人だった。
私が上尾高(埼玉)から東京オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)に入団した1965年当時、すでにチームのエースで大先輩だった小山正明さんのことだ。
63年まで村山実さんと並ぶ2本柱として阪神で活躍したが、山内一弘さんとの「世紀のトレード」でオリオンズに移籍した。
おしゃれで、身に着けるものは一級品。外車に乗るプロ野球選手がほとんどいなかったころに、アメ車を運転していた。
当時は中3、4日で投げるのが当たり前の時代だった。が、調子が悪いときは登板と登板の間にブルペンだけでなく、「ちょっと放らせてくれ」と、試合前のフリー打撃にも投げていた。打席に打者が立ったときの感覚を確認したかったのだと思う。試合前のフリー打撃に投げて調整した先発投手は後にも先にも小山さん以外、記憶にない。
練習熱心だし、よく走っていた。「ピッチングを終えたら走れ」が持論で、陸上100メートルの元オリンピック代表で同僚の飯島秀雄と競走したこともあった。