国内自動車大手6社で減益4兆円の恐れ…トランプ関税と円高のWパンチで「我が世の春」の終焉
燃え尽きる直前に大きくなるロウソクの炎のようだ。自動車大手各社が24日、3月の米国販売実績を発表した。トヨタ自動車は前年同月比7.7%増の23万1336台、ホンダは13.2%増の14万7792台に。SUBARU16.6%増、マツダ16.1%増、三菱自動車14.0%増、日産自動車は9.9%増と軒並み大幅アップだ。
バカ売れの理由はシンプル。トランプ米政権の自動車関税で新車が値上がりするとの懸念から駆け込み需要が発生したためだ。トランプ政権は今月3日に自動車に25%の追加関税を発動し、日本車も対象となった。ナカニシ自動車産業リサーチの試算によると、大手6社の営業利益を計3兆2467億円も押し下げる可能性もあるという。
だからこそ交渉役の赤沢経済再生相が30日から再び訪米し、トランプ政権に見直しを求めて必死で媚びるわけだが、難問はまだある。急激な円高ドル安進行だ。
米国側は、日本が通貨安政策をとっていると敵視。早期利下げを求めるトランプ米大統領によるFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長の解任リスクなども加わり、22日には約7カ月ぶりに一時1ドル=139円台まで上昇した。
23日にパウエル議長の解任を否定したトランプ発言に続き、きのうはベッセント米財務長官が対日交渉で為替水準の具体的な目標設定を求める考えは「ない」と明言。1ドル=142円台後半まで戻したが、トランプ政権のドル安志向は揺るがない。今後も円高に触れていくに違いない。