笹田賢一社長が旗を振るみずほ信託銀のコンサル業務強化…創立100周年でも強みのDNAは脈々
みずほ信託銀行が、同族会社「ファミリー企業」のコンサルティング事業の強化に乗り出す。4月に関連部署を再編、弁護士や資産運用、税務などに精通した専門スタッフを今年度中に約3割増員するほか、企業の株主情報を精緻に分析したデータベースを整備する。「セブン&アイ・ホールディングスへのアクティビスト(物言う株主)攻勢に象徴されるように、同族会社への市場圧力が強まっている。創業家へのコンサル需要の高まりを意識した体制整備」(みずほ関係者)と受け止められる。
旗を振るのは、昨年4月に社長に就任した笹田賢一氏だ。笹田氏は東京都出身で、早稲田大学理工学部卒業後、1992年に旧安田信託銀行(現みずほ信託銀行)に入行した。前身の安田信託時代から通じて初の理系出身社長で、早大卒が社長に就いたのも初めて。「笹田氏は秘書室長や仙台、福岡の両支店長も経験したオールラウンドプレーヤー。若い頃に人事部も経験した。資産流動化の仕組みを活用した個人向け信託商品の開発や企業が保有する金銭債権を活用した信託ファンドビジネスを手掛けた経験もある」(関係者)という。前任の梅田圭氏(現会長)とともに2代続けて旧安田信託出身者が社長になっている。