“脱豪腕”道半ば…楽天・安楽にはFA入団・岸が良いお手本
プロ野球選手がボディービルダーに師事――なんて聞くと不安が先に立つが、本人にとってはじっくり考えての結論だという。
8日、楽天の高卒3年目右腕、安楽(20)がシート打撃に登板。打者6人に投げて安打性の当たりが3本。本人はフォームの崩れが気になったようで、「良い球は1、2球しかなかった」と反省した。
高校時代はMAX157キロを誇る剛腕投手だったが、13年のセンバツで772球を投げ、右ヒジを故障。すでにケガは完治したものの、自慢の球速は落ちた。そこで安楽が目指したのが、球速にこだわらないピッチングだ。
現在もフォーム固めの真っ最中で、オフにボディービルダーに弟子入りしたのも、下半身の筋力をアップさせ、安定感を高めるためだという。
昨季のシーズン終盤は直球の平均が140キロ台ながらも、3試合で2勝。8回1失点、7回無失点、8回1失点と、“新生安楽”の片鱗を見せた。本人も「キレのあるボールを投げたい」と、剛腕からの転身を図っている。
ある楽天関係者は「ならば、最も参考になるのは西武からFA移籍の岸だろう」と、こう言う。「岸の直球は140キロ台と速い方ではないが、キレは球界でも5本の指に入る。ストレートが走れば走るほど変化球も生きるので、好調時は手がつけられない。安楽も『直球と変化球の組み立てで勝負したい』と話しているのだから、なおさら岸の投球が良いお手本になるはずです」
3年目の今季が飛躍の年になるか。