複合個人「銀」の渡部暁斗 欧州勢も感心する技術と英語力
かつてこの競技は日本のお家芸だった。V字ジャンプを会得した日本選手は前半のジャンプでポイントを稼ぎ、後半のクロスカントリーで逃げ切る手法で、92年五輪から団体2連覇。世界選手権は93年から97年大会で個人と団体で金4。W杯個人総合でも荻原健司が3季連続の金メダルで欧州勢を圧倒した。ところが、飛躍のポイント比重を下げ、距離重視のルール改正が何度か行われ、日本勢は上位争いから徐々に姿を消していった。その後、日本の複合勢はクロスカントリーを強化し、09年世界選手権の団体で14年ぶりの頂点に立ち、渡部は11年シーズンから5季連続でW杯個人総合のベスト3をキープしている。
年齢を考慮し、昨年からはエネルギーを消耗しづらい省エネフォームに改善。先月のW杯札幌大会では、15年3月以来の通算8勝目も挙げた。ノルディックの本場である欧州の選手相手に大健闘ではないか。