複合個人「銀」の渡部暁斗 欧州勢も感心する技術と英語力
「カメのように成長していけたら」
そう話したのは、日本時間2日の「世界選手権」(フィンランド)複合個人ラージヒルで銀メダルを獲得した渡部暁斗(28)。世界選手権での個人メダルは99年に荻原健司(47)が銅メダルを獲得して以来18年ぶり。日本人2人目の快挙となった。
「前半のジャンプで3位につけたワタベは、後半のクロスカントリーでザクザクの湿った雪にワックスがピタリと合った。後ろから来る走力のある選手たちと4人で集団をつくり、最後尾から仕掛けるチャンスをうかがう作戦も良かった。金メダルのルゼック(ドイツ)は、後半3、4周目が勝負とみて、日が落ちかけてから冷えて固まる雪に合わせたワックスが奏功した。ワタベは11年のクーサモ大会(フィンランド)でW杯2度目の表彰台に上がった。あの時は記者会見で英語の質問が分からずに途方に暮れていた。今では公式会見はすべて英語でやりとりしているから感心するよ」(欧州のスキー関係者)
渡部はソチ五輪で個人ノーマルヒルで銀を手にしているが、この時も、五輪複合の個人メダルは94年のリレハンメル五輪以来、20年ぶりの偉業として話題になった。