初防衛も相手は格下…村田諒太「リアル」な試合はいつに?
王者のパンチが挑戦者の顔面と腹を何度も襲った。
23日に行われたボクシングWBA世界ミドル級タイトルマッチ。王者の村田諒太(33)はバトラー(24)を5回TKOで下し、初防衛を果たした。パンチの重さ、コンビネーションともに着実に成長している村田にとって、バトラーは明らかに“格下”。テレビ局などは盛んに「KO率80%の強敵」とあおっていたが、バトラーは1階級下のスーパーウエルター級を主戦場にしていたボクサーだ。自慢のパンチもミドル級では並レベル。そもそも、この日が階級転向後、4試合目だった。
そうした「くみしやすい」相手を選んで防衛するのは、王者の特権。それでも、ファンが見たいのは強い者同士の殴り合いだ。
村田もそれを自覚しているのだろう。試合後のインタビューでは、「みなさん、(井上)尚弥の試合を見て思ったかもしれませんが」と前置きして、こう続けた。
「リアルな試合を見たいと思ってるでしょ!? (大橋)会長、リアルな試合お願いします!」
井上は各団体の王者らで争うトーナメント、WBSSのバンタム級で優勝。猛者揃いの大会を制し、世界中にその名をとどろかせた。
まだ強敵と呼べるほどの相手とは戦ったことがない村田。リアルの試合を見せてくれるのはいつの日か。