原英莉花メジャーVで女軍団3勝 ジャンボ尾崎ユニーク指導
言葉をかけるより自分で考えさせる
「やはり高校生の時から指導を受けるジャンボ(尾崎将司)の存在が原には大きな支えになっているでしょう。飛距離は申し分なくても、これまでアプローチやパットに難があった。そんな課題をこの大会に向けて修正しており、4日間とも欠点がなかった。同門の笹生優花(19)が先に2勝したのも発奮材料になっているはずです」(田原プロ)
尾崎の指導はユニークだ。若手の練習に付き添っても、打ち方が悪いと黙っていなくなってしまう。言葉をかけるよりも自分で考えさせるわけだ。
先月、尾崎がホストを務めるチャリティーコンペでは、笹生のドライバーについて、「英莉花が頑張っても20ヤードキャリーで負ける」と語り、それがスポーツ紙に取り上げられた。2勝目が遠い原への、ハッパだといわれている。
今大会に向けてアドバイスもしていた。
「ショットが悪かったので先週、ジャンボ邸にお邪魔したら、『おまえな、30パット切れないのに何がショットだよ』と言われました」(原)
また、アイアンのシャフトを渡されて「それがいいから使え。もともと使っていたアイアンは持って行かなくていい」と、手渡された新シャフトを装着して戦い、アイアンショットが安定した。
■現役固執より女子プロ指導を
今季女子ツアーは、ジャンボ“女軍団”の笹生2勝(賞金ランク1位)、原1勝(同5位)、西郷真央(同17位)と好調だ。
今回の勝利で3年の複数年シードを手にした原は、「ワールドランクを上げて、米女子QTに挑戦して、海外で戦いたい気持ちがある」と言った。笹生も米ツアー参戦を視野に入れる。いっぽう73歳になる尾崎は、持病の腰痛からアップダウンのきついコースでは4日間どころか、18ホールプレーするのも精いっぱいだ。
世界をよく知る尾崎は現役に固執するのではなく、自身が果たせなかったメジャー優勝へ“女軍団”を導いたほうがよさそうだ。