IOCバッハ会長と中国李強首相が「スポーツの政治利用反対」で握手の笑止千万
女子テニス選手の彭帥が、中国の元政府高官から長年にわたって性的関係を強要されていたことをSNSで告発した件でも、中国政府はバッハ会長が消息不明だった彭氏と会談したことを発表するなど、IOCは火消しに協力する形となった。
極めつきは、中国にとって最大の懸案事項ともいえる台湾問題への肩入れだ。台湾は「中国の一部」と政治利用されることを避けるため、当初は北京五輪の開会式に出ないことを表明していたが、IOCは、あたかも中国の手先のようになり台湾に参加を要請し、実現させた。案の定、開会式を中継した中国国営テレビのアナウンサーは台湾選手団を「中華台北」ではなく、中国の一部であるという意味で「中国台北」と呼び、波紋を呼んだ。
中国のIT企業のアリババグループは17年から28年までIOCと最高位のスポンサー契約を結んでいる。さらに同スポンサーのコカ・コーラは19年、中国大手乳製品メーカー「蒙牛乳業」と「ノンアルコール飲料・乳製品」において21年から32年まで共同スポンサーになっている。この契約は両社で30億ドル(約3430億円)ともいわれたが、最高位契約の「1業種1社に限られる」という原則は破られた。
米国と対立する中国はIOCやスポーツの国際大会を利用し、世界に「仲間」を増やし、反対勢力の声を封じたい。IOCは中国マネーが欲しい。「スポーツの政治化に反対」なんて、聞いてあきれる。