冬季五輪「持ち回り開催」なんて夢物語…IOCは前向き発言で実現必至も難題山積
関係者は「妙案」と自画自賛らしい。
国際オリンピック委員会(IOC)は29日、スイス・ローザンヌで理事会を行い、その後の会見でデクリスト・デュビ五輪統括部長は札幌市が招致を目指している2030年の冬季五輪について言及。招致に興味を示す候補地が増えていると述べ、冬季五輪を一定の都市で持ち回り開催する案について「経済面でポジティブな影響を受ける」と前向きな発言をした。
地球温暖化による積雪不足から、IOCは冬季大会を開催できる都市が減少していることに強い危機感を持っている。14年ソチ大会でも大量の人工雪が使われ、昨年の北京大会のスキー競技会場もほとんどが人工雪だった。積雪量の多い都市などでの持ち回り開催が実現に向かうのは必至と見られている。
だが、持ち回り開催になれば、特定の都市で数年に一度は五輪が行われる。30年招致を目指す札幌が見積もる開催経費総額は3000億円前後。毎回莫大な費用がかかるイベントを市民や国民は望んでいるのか。
「その前に、今の世界情勢を見れば持ち回り開催の実現は厳しい」というのは、スポーツライターの津田俊樹氏(国士舘大学非常勤講師)だ。