「横綱になれば大きな鱗のワニ革のネクタイもできる」 元横綱初代若乃花が弟子に自慢した

公開日: 更新日:

 だが、時代とともに手にする報酬の水準は一部メジャー競技のトップと差が開いた。それどころか横綱は休場が続けば高額不労所得者のように言われる。平成の時代に最高位へ就いた音羽山親方にとって、横綱になって良かったことは何か。

「待遇なども大関とは違うけれど、一般の人も関係者のみなさんも横綱、横綱と言ってくれる。引退しても、頂点に立った者として認めてもらえる。その認められ方が他の競技とは違う気がする」

 江戸時代からわずか73人。白い綱を締めて行う土俵入り。降格がなく勝てなくなれば引退するだけ。特別感が古くから人々の敬意を生んできた。そうした価値観が残るうちに、相撲界が考えるべきことがあるのではないか。

 番付の都合で時に甘い昇進も認めながら、上がった後は本人と師匠の問題。高額の年寄名跡がなければ横綱でも相撲協会に残れない。横綱を夢見て飛び込んでくる若者は減り続けている。

▽若林哲治(わかばやし・てつじ)1959年生まれ。時事通信社で主に大相撲を担当。2008年から時事ドットコムでコラム「土俵百景」を連載中。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が