「うちのやり方があるから。察してよ」北の湖引退を示唆した元増位山の苦渋

公開日: 更新日:

 照ノ富士が5日の明治神宮奉納土俵入りに姿を見せた。一般客に公開されたのはコロナ前の2020年以来だ。ひと昔前なら、次に出る時は進退場所だといわれる状況にある。実際のところはともかく、14日からの初場所に出場すれば、初日から目は離せない。

 今の国技館が開場した1985年初場所、北の湖が進退を懸けた。目標にしてきた新国技館で最後の白星を挙げることなく初日、2日目と連敗し、引退を決断する。

 その夜、三保ケ関部屋へ報道陣が押し寄せた。北の湖をスカウトした先代(元大関初代増位山)は日本相撲協会を定年退職しており、師匠は兄弟弟子の元大関2代目増位山。打ち出し後に師匠が春日野理事長(元横綱栃錦)を訪ねるなど、引退の「状況証拠」はあったが、北の湖本人も理事長も明言しない。

 師匠も同様で、夜遅くまで押し問答が続いた末、大ベテランの記者がさりげなく「三重ノ海の時は早かったけどね」と水を向けた。

 三保ケ関部屋の本家、出羽海部屋は栃木山、佐田の山らが「横綱の引き際は潔くあるべし」との美学を角界に根付かせた。三重ノ海の引退も最後の一番を取った夜のうちに記者会見し、表明している。三保ケ関親方は思わず答えた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」