試行錯誤を重ねる渋野日向子は試合に出続けなければ「壁」を乗り越えることはできない
今大会に優勝したパティ・タバタナキットは、プロ転向2年目の2021年、ANAインスピレーション(現シェブロン選手権)に優勝。クラブをゆっくり上げて、大きなスイングアークの飛ばし屋ですが、その後はドライバーが曲がり出し、アイアンやパットにも影響したことで、4試合連続の予選落ちを2度も経験。昨年中盤以降からアイアンの精度が徐々に戻ってきてバーディーが取れるようになり、「優勝は近いな」と感じていたら、前週の欧州ツアー(サウジアラビア)で久々に優勝。今回は地元での完全復活劇ですからうれしかったでしょう。壁を乗り越えたパティは、日本選手にとって必ず強敵になります。
渋野(167センチ)はパティ(168センチ)と身長がほぼ同じです。ミスを怖がり、曲げないように振っているうちは飛距離は出ないし、方向性も安定しません。パティもそうでした。渋野も自信を取り戻し、左サイドへ振り抜けば飛距離だってもっと伸びます。時間はかかるかもしれませんが、次は渋野が壁をブチ破る番です。