全英女子オープン開幕 憧れの聖地で優勝を争える選手はいるのか? 日本勢史上最多19人出場
距離が短めのセントアンドルーズは、運よく風が穏やかなら、他のリンクスに比べて難度は高くない。初日、比較的風が「おとなしい」午前スタートは、山下、渋野ら7人、それ以外の12人は午後組となる。
リンクスの難敵は風だけではない。聖地には、112個もの深いポットバンカーが口を開けて待っている。1978年、男子の全英オープン3日目のこと。17番(パー4)まで首位タイだった中嶋常幸がグリーン手前のバンカーに入れて脱出に4打を要し、このホールで9をたたいて優勝争いから脱落。以後、このバンカーは中嶋の名前をとり、「トミーズバンカー」と呼ばれるようになった。
2005年にT・ウッズがこの地で優勝し、4大メジャーすべてで2勝以上挙げる「ダブルグランドスラム」を達成したときは、4日間で一度もバンカーに入れなかったことは多くのファンが記憶しているはずだ。
セントアンドルーズの18番(パー4)には、フェアウエーを横断するクリークに架かる有名な小さな石橋がある。聖地の象徴「スウィルカン・ブリッジ」だ。この地を訪れたゴルファーはみんなこの橋の上で記念撮影を行う。
近年はレベルが上がったといわれる日本選手だが、予選落ちしてそんな「思い出づくり」だけで終わる者もいるだろう。強風への対応力とショットの精度が試される厳しい戦いが幕を開ける。