「『がん』はなぜできるのか」国立がん研究センター研究所編
1981年以来、日本人の死亡原因の第1位となっているがんの研究・医療の最前線を紹介するサイエンスブック。
20世紀には化学物質ががんを引き起こす「化学発がん説」をはじめ、さまざまな研究が行われてきたが、現在、がんは「がん遺伝子やがん抑制遺伝子に変異が起こることで発生する」遺伝子の病気だと考えられているという。がんが体の中で生まれるメカニズムから、がん化やがん細胞の増殖に関わるタンパク質や酵素の分子などに的を絞って狙い撃ちしてその働きを抑えることでがんを攻撃する「分子標的薬」のしくみ、1滴の血液から13種類のがんを超早期に発見する検査法などの治療や予防まで。正しい知識でがんと向き合うための参考書。
(講談社 1100円+税)