「キャプテン・フィリップス」ポール・グリーングラス監督

公開日: 更新日:

――嫌な上司や足を引っ張るライバルとの日々の戦いに、有効な手だては?

「潔く同居しようというくらい、腹を据えることだと思います。無視したり、排除しようとするのは大人の対応ではないし、出身も性別も年代も異なる人々の集合体が会社であり社会なのですから、相性が合わなくて当たり前というところから始める。マラソンでも、ひとりで走るより、隣にライバルがいた方がタイムが良いじゃないですか」

――長引く不況による業績悪化の上、増税などで追い打ちを掛けられ、中高年サラリーマンは苦しくなるばかりです。

「給料が少ないとか、働かされているという考えから脱却するのが手かもしれません。どんな会社であれ、そこを選んで入ったのは自分ですし、どんなに小さな歯車であっても、それが社会というシステムに組み込まれている以上、意義がある。心掛けひとつで、世の中は変わって見えることもあると思います」

――映画「キャプテン・フィリップス」は、そうした心掛けを持てるきっかけになりますか。

「僕は漫画家じゃなければ、映画監督になりたかった。漫画を描くのと、映画の絵コンテは近いと思うし、どちらも日々の暮らしでは体験できないことを疑似体験できたりするのが面白いんです。映画では『2001年宇宙の旅』に衝撃を受けて以来、ずっと見続けていますが、『キャプテン・フィリップス』も、文句なしに面白い。サラリーマンの方には、リスク管理を考える上での究極のシミュレーションになるかもしれませんね」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方