専門家も厳しい見方 小栗旬「ルパン三世」海外公開の懸念材料
「『ゴジラ』とは異なり、欧米では日本のサブカル文化を好むごく一部のファン以外、原作アニメの『ルパン三世』の認知度はほぼ皆無。向こうでは“日本発のアクション映画”として売り出すことになるでしょうが、肝心のアクションがパッとせず、観賞後、印象に残るシーンがひとつもない。北村監督の得意とする剣のアクションはほとんどなく、銃を多用したミリタリーシーンばかり。“売り”となるアクションがないんです。とにかく全編を通して“どうだ、かっこいいだろ”といったスタイリッシュな演出の押し売りが目立つ。日本での集客が伸び悩むのもわかります」
前出の大高氏も、日本では通用した原作の認知度がないことを懸案に挙げ、「主役を筆頭に俳優陣は頑張っているものの、アクション大作としては見劣りする。アップテンポの一本調子だったので、もっとメリハリがほしかった」と指摘。
小栗といえば、主人公の声優を務めたアニメ映画「キャプテンハーロック」(13年)が欧米で支持され、日本のサブカルファンの間ではそこそこ認知されているというが、一般的にはほぼ無名のアジア人俳優。アクションで世界進出の野望は、まだまだ大それた夢物語のようだ。