“ポルノの帝王”久保新二氏が語る楳図かずお氏との共同生活

公開日: 更新日:

 それで勝新太郎さん主演の「兵隊やくざ」(65年、増村保造監督)や、NHKの朝ドラ「たまゆら」のロケ現場で一緒になるうちに、妙に気が合っちまってさ。自宅が千葉県習志野市だから、都内に通うのに金も時間もかかって困ってたオレの餌食、いやいや、同情して居候を誘ってくれた。

 アパートは西池袋、目白3丁目辺り。4畳半1間、煮焼きできるぐらいのチッコイ台所があるだけ。風呂なんてない。トイレはポットン式の共同だよ。

■居候なのに家事は楳図さん任せ

 そりゃあ、生活は質素さ。オレは定職なんて持ってないから、いつもピーピーで。兵隊映画で、坊主にしたらギャラは5000円上乗せって聞いて、真っ先に床屋に行ったなんてのも懐かしいよ。エキストラの日当が1000円前後だから、破格だったもんな。

 楳図は楳図で、毎日腹ばいで気持ち悪い漫画を描いてた。今、振り返ると、66年に講談社の「週刊少女フレンド」に連載されて評判になった「ねこ目の少女」「へび少女」の原点になる作品だったんだろう。悪いけど、オレには理解できなかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド