“ポルノの帝王”久保新二氏が語る楳図かずお氏との共同生活
66年「血は太陽よりも赤い」(若松孝二監督)でデビュー。ピンク映画に転じてからは「痴漢電車」(滝田洋二郎監督)や「未亡人下宿」(山本晋也監督)シリーズなど850本以上の作品に出演した。今も現役、“ポルノの帝王”久保新二さん(66)の下積み時代は――。
オレがウメズと同棲してた、なーんて、本人同士のほかに知ってるヤツなんていないんじゃないかなあ。どこのウメズかって? 漫画家の楳図かずおだよ。49年も前、楳図が、漫画で飯食うために奈良から上京して3年目ぐらい。先輩漫画家の居候から卒業し、一人暮らしを始めて間もない頃だった。毎晩ひとつの布団に入って、不思議とケンカもせず寝てたっけ。
といっても、乳くり合ってたワケじゃないぞ。オレはもちろん、その頃からナヨナヨして奇抜な服着てた楳図もホモじゃねえから。当時、オレは3カ月で高校中退して「劇団ひまわり」に入り、俳優を目指してた。で、メジャーデビュー前だった楳図も10歳ぐらいサバ読んで「ひまわり」の青年部にいたんだよ。
まだ映画が元気な頃だから、エキストラの仕事はあったし、楳図は社会勉強と漫画を描くのに役立つんじゃないかって思ったみたいだな。