「あさが来た」快挙へ 成功の秘密は“幸と不幸のバランス”
ついでに言えば、「まれ」の場合、能登の友人たちとの群像劇としても描こうとした気配があるが、こちらでも“失敗”している。この点、「あさが来た」では「五代さま」をはじめ、福沢諭吉や渋沢栄一、大隈重信などとの交友を描くことにも成功していた。
主人公・白岡あさの「幸と不幸」のバランスに着目しているのはコラムニストのペリー荻野さんだ。
「おてんばなお嬢さんが次々に事業を成功させていく単なるサクセスストーリーというより、その都度その都度、不幸にも見舞われています。例えば炭鉱事業を成功させた直後には、“五代さま”が亡くなったり、女子大の設立に見通しがたった辺りで、実の父(升毅)を亡くしたり。その一方、史実では結婚後すぐに亡くなってしまう姉を最後まで生かしていたり、その絶妙なバランスが視聴者を飽きさせなかった秘密だと思います」
最終回は4月2日。「あさが来た」の快挙達成は目の前だ。