現代社会の闇描く フジ「ゲゲゲの鬼太郎」は大人のアニメ

公開日: 更新日:

 今年は「ゲゲゲの鬼太郎」がアニメ化され、50周年の記念イヤーということで、4月から「ゲゲゲの鬼太郎」が放送されている(フジテレビ系、日曜9時)。

 第1期が68年のモノクロ、第2期は71年のカラー、第3期85年、第4期96年、第5期が07年に放送され、今回が第6期。モノクロの頃と比べると鬼太郎も足が長くイケメンになり、ちゃんちゃんこを着ていなければ鬼太郎とわからないほど。ねこ娘に至っては超絶美少女でツンデレ。ネコ感はゼロだ。

 声優も一新され、鬼太郎の声は沢城みゆき。ルパンの3代目峰不二子も担当している。初期の頃に鬼太郎の声を担当していた野沢雅子が目玉おやじをやるのも話題だ。

「イケメンの鬼太郎ってどうよと思ったが、これが実にいい。人々が妖怪の存在を忘れた現代を舞台に、人の心の闇や問題点を描くものでなかなか攻めている」(テレビウオッチャー)

 13日の「幽霊電車」でも学生のSNSでのいじめ、会社のパワハラを題材にし、現代社会の闇を反映させていた。子供が見たら、トラウマになるレベルだろう。

「人間が人間をいじめ殺し、その恨みがさらに人間を殺した。それだけの話です」とクールに語る鬼太郎。社会風刺や目に見えぬものに対する畏怖がちゃんと描かれていて、深い。

 子供だけに見せるのはもったいない。フジはいい仕事をしている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」