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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

“5歳児”の素朴な疑問 NHK「チコちゃんに叱られる」の痛快

公開日: 更新日:

 今期も新しいバラエティ番組が何本か登場したが、最もおススメしたいのが金曜夜の「チコちゃんに叱られる」(NHK総合)だ。コンセプトは明快で、子どもが投げかける「素朴な疑問」に大人として答えてみよう、という番組である。

 この「素朴な疑問」ってやつが結構難物で、たとえば「空はなぜ青いの?」と聞かれたとき、正確でわかりやすい説明が出来る大人は(私を含め)少ないのではないか。

 番組に登場するのは「チコちゃん」という5歳の女の子。ただし生身の人間ではなく、頭の部分はCGで、その下はワンピースの着ぐるみだ。そして自分の問いかけにスタジオの大人たちが答えられないと、目が炎と共に燃え上がり、頭から大量の湯気を噴き出して、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と激怒する。これが痛快なのだ。

 先週も「なぜ高齢者のことをシルバーというの?」という素朴な疑問をMCの岡村隆史(47)たちにぶつけ、叱りつけていた。番組は45年前に国鉄(現在のJR)が採用したシルバーシートをめぐる再現ドラマ(主演・鶴見辰吾)まで作ってしまう。

 この「チコちゃん」の声、音声変換で演じているのはキム兄こと木村祐一(55)だ。チコちゃんの言動が時々関西のオッサンと化すのは番組名物となっている。超個性的な“地上最強の5歳児”に、週に一度叱られてみるのも悪くない。

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