好発進“クドカン流”NHK大河「いだてん」を識者はどう見た
髪をバッサリ切って、潔くイガグリ頭で主人公の役作りをした勘九郎。その一方で、ハゲ上がった頭がトレードマークだった“落語の神様”古今亭志ん生をビートたけしが金髪のまま演じていることに対して一部の落語ファンからはギモンの声も上がっている。
「志ん生はハゲていたからこそ独特のおかしみがあったと思うんですよ。たけしは『戦場のメリークリスマス』でハゲ頭になった気合を思い出せ、と言いたい」(ある落語ファン)
■昭和はすでに時代劇
確かに劇中に登場する実在した肉体派のバンカラ集団「天狗倶楽部」も、カットインされる実物写真では全員が丸刈りなのにもかかわらず、生田斗真、武井壮、満島真之介らが、ロン毛やツーブロックなど現代的な髪形のまま演じている。時代劇研究家のペリー荻野氏はこう言う。
「時代劇の世界から見るとどうってことないなって感じですよ(笑い)。時代劇では本来、結婚した女性は眉毛を落としてお歯黒をしなくちゃいけない。でも今のドラマでそんなの誰もやってないでしょう。完全なリアリティーは成立しないんですよ。当然、志ん生ファンからそうした批判が出るのは作り手もたけしさんも織り込み済みのはず。自身も大好きな志ん生を“たけし流”で演じるということでしょうね。単なるものまねでは名人に失礼だし、“見た目のリアル”より“中身のリアル”ということでしょう」