素質は十分…落語界史上初「3代現役」の可能性が出てきた

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 父親と息子に挟まれた木久蔵はうかうかしていられない。落語界において彼は「いじられキャラ」として先輩や仲間から愛されている。

 前座たちが楽屋でふざけているのを見て、木久蔵が珍しく小言を言った。

「仕事をする時と遊ぶ時、ワビサビをつけないとだめだよ」

 前座のひとりに、「それ、メリハリじゃないですか」と直された。

「後輩たちが僕を軽く見てるような気がするのは、そういうことが多いからなんですね」

 この屈託のなさが木久蔵の持ち味だ。最後に木久扇に木久蔵の評を聞いた。

「息子がテレビの台風情報を見ながら、『台風っていいよな』って言う。どうして? って聞くと、『台風は進むべき方向が決まっているから、うらやましい』だって。今後自分の進むべき道を決めることが大事ですね。落語家は技術よりもキャラクターが優先する。何をしゃべるかでなく、誰がしゃべるかが大事なんです」

 木久蔵には父親という良い手本がいる。必ず進むべき道が見つかるはずだ。

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