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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

どこまでも他者に寄り添う「藤井隆」は唯一無二の芸人

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「『椿(鬼奴)さん、それは実はソバージュじゃないんだ』って」(藤井隆/TBS「A―Studio」2月22日放送)

 お笑い芸人だけではなく、音楽プロデュースも行い、自ら主宰するレーベルも持っている藤井隆(46)。椿鬼奴もそのレーベルからCDデビューしたひとりだ。2人の出会いは、あるテレビ番組。そこで鬼奴が、MAXの4人のモノマネを1人でやる「鬼MAX」を披露したのを見て、藤井が大笑い。程なくして意気投合し仲良くなった。

 だが、どうしても気になることがあった。それは彼女の髪形だ。ラインがそろっていない“ソバージュもどき”になってしまっていたのだ。そこで思わず口にしたことを述懐した言葉を今週は取り上げたい。

 藤井は、誕生日プレゼントに「ソバージュチケット」と称して、ソバージュの“達人”を紹介。結果的に鬼奴のビジュアルイメージも“プロデュース”したのだ。

 芸人や俳優だけにとどまらず、2000年には「ナンダカンダ」で歌手デビュー。「いただいた当時は意味もわからず歌ってた」(NHK「おげんさんといっしょ」18年8月20日)が、この曲で「紅白歌合戦」にも出場。まさにマルチな才能を発揮していた藤井だが、自分が芸人なのか、タレントなのか、何なのかわからずコンプレックスだったという。

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