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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

かまいたち・山内 しくじり上等の大ボケがブレイクへの道

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 当然激怒されたが、山内は「『やったらあかん』っていうのは『やれ』っていうフリやと思った」(ナターシャ「お笑いナタリー」17年12月4日)というのだ。

 2007年に「ABCお笑い新人グランプリ」で最優秀新人賞を獲得すると、それまでの給料が倍増。翌月もさらに倍増していった。これならバイトを辞められると思ったのが“しくじり”だった。給料は5万円で上げ止まりし、結果、消費者金融で金を借り、首が回らなくなってしまった。

 そんな中、光明を見いだしたのが「ロケ」だった。当時、大阪では千鳥がロケを席巻していた。情報系ロケは芸人の仕事ではないという意識を覆し、「ロケでふざけたら自分たちの面白さを出せる」ものに変えていっていたのだ。

 そうした中、山内はあるロケでボケではなく、ただ暑くてジャケットを途中で脱いだ。それを編集で前後が入れ替わると、着ていたり着ていなかったりする。本来はいけないことだ。だが、それをスタジオの千鳥が面白がった。それから衣装を替えるというボケが生まれたのだ(集英社「週刊プレイボーイ」19年5月27日号)。

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