<8>慰問は上から目線 芸で激励するからと「芸激隊」を結成
刑務所で受刑者に演芸を披露した後、刑務官を激励するために、宿舎の広間に刑務官と家族に集まってもらうという。
「看守というのはストレスの多い仕事です。受刑者に襲われる危険もありますから。公務員の中で平均寿命が最も短いといわれるのもわかります。せめて日々のストレス解消に、ご家族ともども演芸で楽しんでもらおうと思いましてね。演芸会が終わると、奥さん方の手料理を肴に宴会が始まります。酒が入ると舌が滑らかになるので、そこで刑務官の方々から刑務所の裏話を聞ける。これがまた面白いのなんの」
際どい話ばかりなので、公表できないと言うのをぜひにと頼み込んだ。
「それじゃひとつだけお話ししましょう」
その話はまた明日。 =つづく
(聞き手・吉川潮)
▽桂才賀(かつら・さいが)1950年、東京都大田区羽田生まれ。落語協会所属。高校卒業後、海上自衛隊を経て72年、9代目桂文治に入門、前座名は「文太」。78年、師匠文治の死去に伴い、3代目古今亭志ん朝門下に移籍。「古今亭朝次」と改名し、二つ目で笑点メンバーとなる。85年、真打ちに昇進し、7代目「桂才賀」を襲名。