東ちづるさん 仏絵本のカロリーヌに憧れて自由な冒険心を

公開日: 更新日:

 当時の私はカロリーヌとは正反対。カゴの鳥というと言い過ぎかもしれませんけど、自由も冒険も、妄想の世界のことでしかなかった。縛られていたわけでもないのに、母の期待する娘でいようと、いつも顔色をうかがう。クリスマスにサンタクロースへのリクエストを聞かれ、本と答えた私に「そういうんじゃなくて」と母が言った途端、「お人形さん」と言い直してしまう子どもだったんです。

 大学進学というと、自立には絶好のタイミングでしょう。私も島を出て大阪で初めてのひとり暮らしを始めたのですが、ゴールデンウイークにはもう飛んで帰っていた。

「18年間の期待を裏切ったわねえ」――第1志望の国立大学教育学部の受験に失敗したとき、ぼそっと、そう母が呟いた言葉に深く傷つきながら、それでも共依存し続けていたんです。実人生なんてこんなものだって、諦めかけてもいた。

 でも、カロリーヌがそっと背中を押してくれていたのかもしれません。大阪で芸能活動を始め、お昼の料理番組のアシスタントをして3年という頃、やっぱり東京に行かなくちゃと思い立った。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」