オール阪神・巨人は漫才師としての“体内時計”を持っている
出来上がったネタを最終確認する「ネタ合わせ」の時はいつもストップウオッチで私が時間を計っていますが、生放送の時はいつも予定時間との誤差が前後5秒程度。これでも十分すごいのですが、1990年、大阪で「国際花と緑の博覧会」の期間中にNHKの生放送で10分ネタを披露することになったときのこと。出番は番組の最後の「トリ」。本番の2時間前ぐらいに楽屋で「いっぺん、合わせとこか」という巨人さんの一言で本番を想定したネタ合わせが始まりました。いつもなら時間経過を確認するのですが、なぜかこの時はずっとおふたりを見ていました。
「どうもこんにちは阪神巨人です」から始まり「ええかげんせえ!」という阪神さんのツッコミが終わりストップウオッチを止めた瞬間、巨人さんに「こんなもんやろう、なんぼ?(何分?)」と聞かれ、表示画面を見ると「9分59秒」。「よっしゃ!」と納得の巨人さん。私は全身に鳥肌が立っていました。
話はここで終わりません。番組が始まり、モニター画面を見ながら「押してるな……(番組の進行が遅れている)」と話をされていた直後、出番の15分ぐらい前になって、ディレクターさんが息を荒らげて楽屋に来られ「申し訳ありません、押してましてネタ時間、8分でお願いします。よろしくお願い致します」とだけ告げて走り去ったのです。