オール阪神・巨人は漫才師としての“体内時計”を持っている
オール阪神・巨人の巻<2>
「M―1グランプリ2020」はマヂカルラブリーが優勝しました。あれは「漫才か?」「コントか?」でネット上ではさまざま意見が出ていますが、私は動きのボケに対して、あくまで“素の状態”でツッコミをしているので、ああいうネタも漫才の形のひとつだと考えていますし、なにより画面を通してではなく、現場で見ている審査員の目を尊重したいと思います。
M―1はネタが4分と決まっているのでみな試行錯誤しているのですが、審査員のオール巨人さん、そして相方・阪神さんの漫才師としての「体内時計」のすごさをご紹介したいと思います。
■出番15分前でも10分のネタを8分にできる
おふたりの場合、収録は編集が入るので、基本的に予定時間より1~2分は長めに、生放送は与えられた時間内できっちりと収めます。ネタを書くときは、事前に話し合ったテーマに沿って1稿目は50~70%の台本で方向性を確認。2稿目で100%に近いものを書き、その後は微調整を繰り返し、多い時には5稿、6稿まで続くこともあります。最終稿が決まっても稽古の段階で言い回しや、ボケがどんどん変わっていき、舞台直前のネタ合わせと本番のボケが変わっていることも珍しくありません。