「昼下がりの公園で着物でけん玉」の現実離れ 東京五輪閉会式の演出にも愕然

公開日: 更新日:

 演者に罪はないが、閉会式の「日曜の東京の昼下がりの公園の様子」と題された公園パフォーマンスは、本当に「何を見せられているのだろう?」と思うと同時に、着物でけん玉をする人を東京の公園で日常的には見たことないなと冷静に思った。

■現代日本の悪いところ見本市?

 ネットでのリアクションも、<純粋で透明性のある、マトモな企画がみたかった。全部まとまりもなくて、メッセージ性も皆無の哀れな現代日本の悪いところ見本市のような印象でした><個人的には、意外と楽しめました。ただ、元のMIKIKOさんの案の開会式が見たかったというのが、本音です。直前のゴタゴタや、開会式にまつわる黒い噂等が無ければ、もう少し楽しめたと思います>と日本の既得権益が横行する"悪い部分"をアピールしてしまうような開会式と閉会式の内容であったことを嘆く声も多くみられた。

 開会式の入場行進に使われたゲーム音楽も、オリンピックのコンセプトにも合うゲーム音楽が素晴らしいのであって、それは今回の東京五輪の実績にはなり得ない。柔軟な発想と広い視野で様々な文化とコンテンツを形成し、世界に発信し、それを評価されてきた本来の日本の底力はこんなものではなかったはずだ。

 開会式・閉会式の演出を考えた人たちは「多様性」という言葉を「一貫性がなくても許される」と曲解しているのではないか。そう思ってしまうほど悔しささえ残る開会式・閉会式だった。

(文=水野詩子/ライター、コラムニスト)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」