藤島メリー泰子さんの訃報で、メディアへの「無言の圧力」が明らかに…
〈第1回は「読者投票」と、記者と評論家による「審査員票」で各賞を決めていた。票の比重は半々。応対した私に「あなた、全部のドラマ見ているの?」と聞いてきた。私は「見られる限りは、録画してでも…」としどろもどろに答えた。「見られないのに(記者や評論家が)審査するのはおかしいですね」とズバッと指摘された。そして「やはり視聴者に任せるべきです」。言外に「そうしないとジャニーズのタレントは出さない」のニュアンスを感じたが、メリーさんは純粋にドラマグランプリのことを考えてくれていたと思う。第2回から読者投票だけに切り替え、今年の第25回の節目につながっている。〉(日刊スポーツ・2021年8月18日付)
正論を言って主張を通すメリー氏の手腕が垣間見られる一方、記者がハッキリと言葉にしないまでも“無言の圧力”を感じたことを明かしている。
■男優賞と作品賞をほぼ独占
ジャニーズには、熱狂的なファンが多い。作品の良し悪しにかかわらず、応援しているアイドルが受賞すればいいと考えている人たちもいる。メリー氏はそのことを把握しているため、〈視聴者に任せるべき〉と"提言"したのだろう。実際、『日刊スポーツ・ドラマグランプリ』の歴代受賞者を見ると、23回中19回(第14回の2011年は東日本大震災の影響のため中止)はジャニーズ事務所所属タレントが主演男優賞を獲得。作品賞も、ジャニーズ所属タレントの主演ドラマが18回を占めている。2018年度以降は3年連続でジャニーズ以外のタレントが主演男優賞に輝いているが、それまではほとんど独占していた。