何が新総裁だ。世の中、どん詰まってるぞ! 何もかも解体してゼロからやり直せ
ここ何年か、冒頭に「これは実話に基づいている」と出る洋画が増えている。世界中、安直なフィクションにつき合う暇はないし、作り話は飽きられてるようだ。1日に公開される「007」の映画にしろ、「これは本当にあった世界転覆計画の実話です。ボンド以外は」とでも謳わないと、見てられないかもだ。でも、邦画は相も変わらず作り話ばかり。宣伝用のDVDでしか見ないが、ホラ話がほとんど。日本軍の南京虐殺の実相はこうだとか、あの政治家は田中角栄より悪党だったとか、そんな踏み込んだものがあってよさそうなのに一つもない。愛と正義の押し売りばっかり。「虚構の中にこそ真実が」なんてそんな時代はもう終わってるぞ。ウソ話でも号泣したとか、そんな映画や小説ほどアホらしいものはない。号泣とか、よく言えるもんだ。「癒やされた」とか、幼稚な言い草がはびこっている。
先日、タクシーに乗るなり、70歳前の運転手のオヤジさんがまくし立ててきた。これは実話。「カントク、まさか自民党と違うやろ? あんなカッコだけの総裁なんか“アベの桜見る会”も“森友の改ざん忖度”も絶対に手ぇつけよらんし、ゴマかすやろけど、立憲民主の枝野のおっさんはええこと言うてたで」と。「はぁ、何ですの? っていうより先輩は大阪でんのんか」と聞くや、「そうやねん。岸和田、カントクの映画みたいに若い時、ワシもボウ振り回しとったんよ」「えー、ボウて何の棒でんの?」「いや、それより枝野が税金を……次の選挙で自民党いわっしょったら(政権を取ったら)」と。