マーク・ラファロ主演「ダーク・ウォーターズ」環境汚染への関心高まりに期待!
レオナルド・ディカプリオやマット・デイモン、ホアキン・フェニックスとルーニー・マーラなど環境問題に取り組むハリウッドスターは多く存在します。特にレオナルド・ディカプリオは1998年に気候変動の暖和や災害救援の為の「レオナルド・ディカプリオ財団」を立ち上げたり、『地球が壊れる前に』(2016年)というドキュメンタリー映画を製作し、自分たちの出来ることで世界に危機を伝えています。
まさに影響力あるスターが世界を救おうと本物のヒーローへと変化を遂げている現代、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでジャック・スパロウを演じるジョニー・デップは、公害病である水俣病を世界に知らしめた写真家ユージン・スミスの半生に感銘を受け、映画『MINAMATAーミナマター』を製作、主演も果たし、当事国の日本では今秋公開されました。
さらに驚くべきは、マーベル映画『アベンジャーズ』でヒーローのひとりであるハルク役のマーク・ラファロが製作・主演をつとめる公害をテーマにした社会派映画『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』が12月17日に日本で公開されます。
■巨大企業と戦った男の実話
本作は、アメリカの大手化学メーカー、デュポン社の工場からの廃棄物により190頭もの牛が病死したことへの調査依頼を受けた企業弁護士が体験した実話であり、この問題は2016年にニューヨーク・タイムズ紙で記事となって世界中を震撼させました。
それは環境活動家の顔も持つマーク・ラファロの目にも止まり、彼の人生のフィールドである映画として本人がプロデューサーと主演を兼任することで本格始動しました。
そんなマーク・ラファロ本人からのオファーで『エデンより彼方に』『キャロル』など人間の感情を緻密に映し出すトッド・ヘインズが監督を承諾。それによりキャスト陣も『レ・ミゼラブル』でアカデミー賞助演女優賞を獲得したアン・ハサウェイが主人公の妻役、『ミスティック・リバー』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したティム・ロビンスが上司役という実力派が顔を揃え重厚感も増しています。
銀幕のヒーローから現実のヒーローへ
マーク・ラファロにより映画化された本作は、世界有数の巨大企業を敵に回したひとりの男による人生をかけた十数年に渡る壮絶な闘いであり、弱者のみならず多くの人を救おうとしたことで弁護士生命の危機にも陥った“血の通った生身のヒーロー”の存在を世界に伝えるものでした。
けれど、この環境汚染問題を世界公開まで及ぶスケールで映画化できたのは、やはり世界的スターであるマーク・ラファロだからであり、彼が演じることで世界中の老若男女が興味を持つ作品へと劇的に変化したのではないでしょうか。
それによって環境汚染について人々が身近な問題であると気付き、日常生活を見直すことになり得るでしょうし、私自身も家のフライパンがテフロン™(デュポン社の登録商標)か確認してしまったほどなのだから、その影響力はまさに絶大。今後もこのような良作が世界中のスターたちにより生まれてくることを期待しています。