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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

錦鯉は長い下積みを経て…ついに史上最年長で「M-1」を制した“中年の星”

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 一方の渡辺は、そんな長谷川を自由に泳がせながら、要所要所で落ち着いたトーンで的確なツッコミをいれていく。ネタ作りも担当する彼は、錦鯉の頭脳とも言える頼もしい存在だ。

 錦鯉は一昨年の「M-1」で決勝に進んだことをきっかけに、昨年は数多くのバラエティー番組に出演していた。テレビの仕事が増えるとライブに出演する機会が減り、人前で漫才を披露してネタを磨くチャンスが失われてしまうものだが、キャリアの長い彼らの実力は決して衰えることがなかった。

 王者になった錦鯉の唯一の不安は健康面だろう。長谷川は不摂生のために歯が8本抜けているし、渡辺は持病の痛風に悩まされている。

「M-1」で優勝した芸人はその瞬間からスケジュールが真っ黒に埋まり、休みもほとんど取れなくなると言われているが、錦鯉の2人が果たしてそんな生活に耐えられるのか。お笑い界にもそろそろ「働き方改革」が必要な時期なのかもしれない。

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