著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<128>野崎幸助さんの「いごん」に使われた紙、インク、封筒をたどる

公開日: 更新日:

 ご丁寧に封筒の裏もコピーされて家裁に提出されていたが、裏面には何も書かれていなかった。

「たしか5年ほど前に金色の封筒にしたんではなかったかな? その前は白い封筒に赤と青のラインが入って『アプリコ』と書かれていたような気がする」

 古くからアプリコに出入りしている会社の関係者からそのような話を聞いたのは、2018年の12月初旬だった。5年ほど前という時期が微妙であったが、印刷会社をなんとか特定して当たってみることにした。

「ほう、そうでしたか。では調べてみましょうか」

 住宅街の一角にあった印刷所の応接間で、同社の社長と向かい合った。40代後半の明るい方で、説明に耳を傾けてくれた。

「印刷代を後から値切ってきたり、無理難題を押し付けてきたりと大変な社長でしたが、憎めないところもあって……。でも遺言が出てきたと聞いたときは驚きましたよ。イブちゃんのことに触れていないし、あの社長が田辺市に全部寄付するという内容にも違和感がありましたから」

 社長は従業員を呼び、倉庫にあるはずのアプリコとの取引伝票を探すように指示した。その後は2人でドン・ファンの思い出話をしながら待った。 =つづく

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド