NHKBS「河瀬直美が見つめた東京五輪」は疑問・疑惑だらけ
河瀬直美監督が撮った東京五輪のドキュメンタリー。その撮影時間は5000時間にも及ぶという(とNHKのホームページに書いてあった。休みなく見て200日かかる計算だから500時間の間違いではないかとも思ったが、1日10時間撮影して500日、まあ2年で回せない時間でもないか)。
この撮影風景を追ったドキュメンタリーがNHK BSの「河瀬直美が見つめた東京五輪」だ。この中の五輪反対のデモに参加しているという男性へのインタビューシーンに「実はお金をもらって動員されている」というテロップが流され、すぐさま問題になり、結局事実とは異なっていたという訂正がなされた。しかし、この訂正がどうもしっくりこないのだ。なぜ「金をもらっている」という事実がテロップ処理なのか。もちろんドキュメントにもテロップ処理はある。「このあと男は口を閉ざした」などと相手方から取材を拒否された場合、または不覚にもその映像が撮れていない場合、あるいは撮れたが音声状態が悪い場合だ。
しかし、これはそもそもサブの監督である島田氏が取材しているシーンを撮ったものだ。であればNHKのカメラは回っていなくとも、島田監督のカメラにはこの文言が収録されているはずである。どうしても使いたいならその映像を借りるべきだろう。このシーンを使うことは当然両監督の了承があるはずだし、2人とも試写も当然見たはずだ。