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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

2022年冬ドラマはコレを見る! オススメの3本を早出し

公開日: 更新日:

菅田将暉「ミステリと言う勿れ」はプロの仕事

 冬ドラマがスタートしたので、その中からオススメを3本紹介。

 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で義経を演じる菅田将暉主演のフジテレビ月9「ミステリと言う勿れ」。原作漫画のファンなのでドラマ化には戦々恐々。さらに菅田のビジュアルが発表された時は「イメージが違う」と愕然としたが、10日の初回を見てほっとした。漫画の世界観を壊すことなく、ドラマとしての完成度も高い。このままのクオリティーで最後までいけば、令和の名作ドラマになること間違いなし、だ。

 菅田演じる大学生・久能整の淡々と理路整然と語る感じがまさにイメージ通り。

 伊藤沙莉尾上松也筒井道隆遠藤憲一の刑事チームも最高って感じ。演技派揃いで安心して見られる。これこそプロのお仕事。

「寺内貫太郎一家」を彷彿させる「おいハンサム!!」

 東海テレビ×日本映画放送の共同制作の連ドラ「おいハンサム!!」(フジテレビ系)。吉田鋼太郎主演のホームコメディーだ。

 吉田演じる頑固親父がドラマの見どころで、妻をMEGUMIが、3人娘の長女・由香を木南晴夏、次女・里香を佐久間由衣、三女・美香を武田玲奈が演じている。

 頑固親父で思い出すのは「寺内貫太郎一家」の小林亜星だが、令和の頑固親父はちょっと違うようで、どこかかわいらしさを持ち合わせていて、それが吉田にぴったり。

 白いシャツとダボパンに腹巻きというくつろぎスタイルはバカボンのパパのよう。

 娘たちへの愛情は深いが、年頃の娘たちをどう扱っていいのか、戸惑う様子に令和の頑固親父の苦労がうかがえる。

 昭和の寺内貫太郎ならちゃぶ台をひっくり返せば親父の威厳が保たれるが、令和はそうはいかない。

 娘たちが男を見る目がないのが悩みのタネで、その辺も見どころだ。

 脚本・演出の山口雅俊は元フジテレビのドラマプロデューサーで「きらきらひかる」や「カバチタレ!」「ロング・ラブレター~漂流教室」「ランチの女王」など大好きな作品を手掛けてきた人で、そういう人が古巣に帰って(厳密には東海テレビだが)またドラマを作るヒストリーも感慨深いものがある。

しゃべらないけど凄い「しもべのしもべえ」の安田顕

 最後に、NHK「しもべえ」。ヒロインの女子高生・鴨志田ユリナがある日、「しもべのしもべえ」というスマホアプリをインストール。翌日からユリナがピンチになるたびに、謎の中年オヤジがやってきて助けるというストーリーだ。

 中年オヤジ・しもべえを演じるのが安田顕で、セリフを一言もしゃべらないのに、豊かな表情と身ぶりでちゃんと彼の言いたいことが伝わるからすごい。ヒロインのユリナを演じる白石聖も尊い。第1話「こんな青春ドラマが今まであったでしょうか。」などサブタイトルもユニーク。

 ひとまずこの3本は最後までお付き合いすること確定。

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