東大切り付け事件報道で茂木健一郎氏が指摘 「東大至上主義」を生んだ大メディアの罪

15日、事件の起きた現場付近を調べる警察官（Ｃ）日刊ゲンダイ

　なぜ、番組名は、東大と同様に難関とされる大学、例えば「京大王」や「九州大王」ではダメなのか。もちろん、ともに医学部があるのに、だ。大手メディアが常日頃から「東大ブランド」を必要以上に持ち上げ、「東大至上主義」を強調しながら、今さら「東大がすべてじゃないよ」ではないだろう。

　ちなみに日本映画として62年ぶりにゴールデングローブ賞を受賞し、米アカデミー賞を獲得する期待が高まっている映画「ドライブ・マイ・カー」（濱口竜介監督）で主演を務める西島秀俊（50）は横浜国立大学中退。関東近県在住の高校生であれば誰もが知る名門の国立大だ。

　ひたすら勉強して東大に進学して官僚になり、保身のために国会答弁で嘘八百すら平気でつく人と、東大ではないものの、人並み以上に勉強を頑張り、さらに「俳優」としても世界から認められる人物のどちらが果たして「王」と呼ぶのにふさわしいのか。

　いまだにステレオタイプでしか人物、人生を判断できない大手メディアはよ～く考えるべきではないか。