現・後期高齢者 とにかくその、己が年取った自覚がないのですな
長い稽古が終り、俳優座劇場に於て、芝居の幕が上がりやした。もうとにかくオミクロンコロナとの斗いでしたな。イヤヒドイもんです。PCR検査は無論の事、毎日の体温計り、マスクは二重、一時間程稽古して、窓を開放、これがまたビルの四階で、その風通しの良いことったらない。ビュンビュンてな塩梅で、何んとか風邪をひかずに済みやしたが、イヤ神経使いましたなあ。マスクはメーカーの違うのを使う、何故だかその方が良いらしい。コノ二重マスクをして、ガンガン踊って台詞を云う。さすがに若人はタフですな。勿論アタシにはそんな無茶はなかったですがネ。演出家はじめ役者諸氏には、随分気を使って貰って、コノ紙面を借りまして、アツク御礼申し上げますであります。
とは云うもののですな、アタシだって、やってやれない事は無いと思っとるんですが……ヤハリ無理ですかネー。唄って踊ってなんて芝居は、今迄やったことがありやせんし、まあ注文もないし、興味もなかった訳でありますが、シカシ何だか、イキナリ年寄りになった感はありますヨ。これでも東映時代は、アクションいや殺られ役専門俳優でしたからねえ。動きには多少自信もあるのでございますヨ。とにかくその、己が年取った自覚がないのですな。四十位の頃から意識的に年のことを思いながら生活してきたのですヨ。ハー五十かフーン還暦か、オッ古稀かなんてね。