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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

甲本ヒロト、三谷幸喜…自分の才能にも発揮した松重豊の「見る目の無さ」

公開日: 更新日:

「基本的に見る目がないんですよ」(松重豊NHK「おげんさんのサブスク堂」8月13日放送)

 ◇  ◇  ◇

 俳優の松重豊(59)とミュージシャンの甲本ヒロトがお互い無名時代に、下北沢の“町中華”屋「珉亭」でバイト仲間だったというのは有名な話だ。松重は「THE BLUE HEARTS」結成直後のヒロトの姿も目の当たりにしている。当時はヒロトに「今度のバンドはこんな名前じゃ」と教えられ、「ブルー? カッコ悪りぃなあ、その名前! 青い心? なんじゃそれ」と言ってしまったと回想し、自虐的に語った言葉を今週は取り上げたい。

 松重は中学生の頃、パンクロックを聴き始め、音楽が好きになり、音楽を仕事にしたいと思いつつも楽器が弾けなかったこともあり、挫折。石井聰亙監督の映画「狂い咲きサンダーロード」を見て映画の世界に魅了され、やがて俳優を志すようになった。

 駆け出しの頃は小劇場の舞台に出演。三谷幸喜が主宰する「東京サンシャインボーイズ」に参加した際にも、三谷に対し「才能がない」と思い、一度離れたと自分の「見る目のなさ」を自嘲して振り返った。

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