劇作家・谷賢一氏からの“性加害”で女優が提訴 芸能界の「セクハラ・パワハラ」はまだまだ氷山の一角
舞台が中止の南果歩は「致し方ない判断だと思います」
谷氏の所属事務所は「法廷で全面的に争う意向と聞いている」とのコメントを出したそうだが、劇作家で演出家の平田オリザ氏は自らが旗揚げした劇団「青年団」の青年団演出部から谷氏の退団を報告。「他の関係者の証言もあることから大筋の告発は事実であったと思われます」として、謝罪。
谷氏が演出を担当する南果歩(58)が出演予定だった舞台「家を壊す」は16日から上演予定だったが公演中止に。南はツイッターで「『家を壊す』急遽、公演中止となりました。福島で生み出す演劇に意義を感じていました。本当に残念でなりません。しかし、演出の谷賢一さんを提訴した方の並々ならぬ心情を思うと、これは致し方ない判断だと思います」とコメントした。
芸能界のセクハラ・パワハラはことしだけで、歌舞伎の香川照之、映画監督の園子温、俳優の木下ほうかからの被害を女優らが告発。これでもまだ氷山の一角とされ、悪質なセクハラをやり放題の男が跋扈し、それがまかり通る芸能界の闇の深さを印象づけた。
「とりわけ演劇、劇団は演出する座長が優越的立場から、絶対的な権力をふるうケースが少なくありません。セクハラやパワハラを受けながら、泣き寝入りしてきた女優が数え切れないほどいます」と話す舞台関係者も。
「稽古で無駄に何度も大声で叫ばされ、声をつぶしてしまい、病院行きとなった女優もいました。見舞いに行くと、それをスタッフがシャットアウトした。異常、異様な光景が広がっていた」という証言もある。
谷氏は性的な演出を演者の許可なく行ったり、複数の人の前で怒鳴りつけたり、叩いたり蹴ったりの暴力もしていたとも告発された。必ず女性を隣に座らせていたとされ、これが事実であれば、時代錯誤というレベルではなく犯罪行為だ。
「今回は証拠として、谷氏が送ったというLINEが提出されており、これが決定打になる可能性はあるでしょう。いずれにしても、セクハラ訴訟は精神的負担も大きく、支援やケアをしてくれる人が近くにいないと難しい部分もあるのです」(法曹関係者)
腐りきった舞台裏の膿を出し尽くす日は来るのか。