(1)「おう、さんまや」の電話をイタズラと勘違い 大物芸人の人懐こい性格にびっくり
あれは1992年ごろの日曜の午後2時だった。「世界まる見え!テレビ特捜部」の編集作業で土曜の朝から日曜の朝まで24時間編集作業をして、自宅マンションでぐったりと寝ている時だった。
まだ携帯電話もほとんど普及していない頃、遠くで電話が鳴っている。妻は外出し、ずっと鳴り続けているので電話に出た。
「おう、さんまや。いま何しとんねん?」
サンマさん……本人? 冗談だろう? ちょっと本人と声の調子も違う気もする。即座にイタズラ電話だと思い、私はガチャッと電話を切った。翌週の日曜の午後にもまた電話が鳴ったが、出なかった。いくら日本一のお笑い芸人・明石家さんまと急速に、公私ともに交流することになったとはいえ、まさか自宅まで電話をかけてくるとは思わなかった。
■「電話するといつもすぐ切られんねん」
しかし、その十数年後、さんまさんの担当マネジャーと喫茶店でコーヒーを飲んで雑談をしている時のことである。ふと思い立ち、あの“明石家さんまを名乗る日曜の電話”について聞いてみた。