中村勘九郎「どうする家康」茶屋四郎次郎役で「いだてん」リベンジ! 優雅な所作と振る舞い
「『大根役者ぶりにガッカリ』だとか、『声が掠れて聞き取りにくい』といった批判が目立ち、評判はよくありませんでした。あれは勘九郎さんの徹底した役作りの結果なのですが、宮藤官九郎さんの脚本で現代劇ということもあり、うまくハマらなかったというのもあったのでしょう」(前出・編集者)
勘九郎は、天才といわれた十八代目中村勘三郎を父に持ち、5歳で二代目中村勘太郎として初舞台を踏む。2012年に六代目中村勘九郎を襲名。若い頃から踊りには定評があり、勘九郎の舞う『春興鏡獅子』(踊りの前半は気品のある娘、後半は荒々しい獅子の精となって、長い白い髪を円を描くように振り回す伝統的な舞)は十八番といわれている。
「テレビドラマでは、やはり04年のNHK大河ドラマ『新撰組』の藤堂平助役と、21年に放送されたNHKドラマ『忠臣蔵協奏曲No.5 中村仲蔵出世階段』の初代中村仲蔵役は圧巻でした。藤堂は地味で謙虚で不器用なうえ、モテない青年ですが、常に目を輝かせ生き生きと演じていました。最期は背中から切り付けられて息絶えるのですが、死に際まで爽やかに演じて見せました。そして、中村仲蔵役では、演技力、迫力ともに歌舞伎を思わせる演技で迫力満点。やはり勘九郎は時代劇が合っているなと改めて思わせる演技でした」(芸能ライター・弘世一紀氏)
『どうする家康』には、弟の中村七之助(39)も石田三成役で出演予定。後半戦は高校時代からの親友である勘九郎と七之助とともに巻き返しを図りたい松本潤にとって、最高のアシストになるに違いない。